2012年5月3日木曜日

坂東三十三観音 第27番 飯沼山円福寺

坂東三十三観音巡礼最後の県である千葉県にやってきました。千葉県最初の札所は第27番飯沼山円福寺です。

 IMGP9266
ものすごく派手な色合いの大きな看板の駐車場です。存在感はありますが落ち着かない色使いです。

IMGP9270
駐車場から銚子漁港方面に歩いていくと立派な仁王門と存在感のある立看板達。この先境内でも多くの看板に出会えます。

IMGP9273
山門の仁王像は鳥よけの金網で囲われているタイプ。

IMGP9277
境内に入ると巨大な看板があります。駐車場と同じ落ち着かない色使い。

IMGP9289
境内に入って巨大な看板に目がいってしまいましたが、正面に本堂があります。本堂手前には阿弥陀如来坐像と常香炉。右側には昔ながらのお土産屋さんがあり、観音霊場に来た気分になってきます。左側は見ると残念なのであまり見ないようにします。

IMGP9275
見ないようにすればするほど気になる左側。まずはトイレです。入口には目立つ立看板があり有料(100円)であることをうったえています。大きな看板を2つも立ててありトイレに近づくと徴収係が寄ってきそうな勢いが感じられます。この近寄りがたい雰囲気のせいでトイレを使う気になれませんでした。
ちなみに近くにある古いトイレは有料ではないため他の参拝者の方々はそちらのトイレを利用しています。新しいトイレは一体何のために作ったトイレなのか疑問に思いました。

IMGP9281
続いて左側に登場するのは二十三夜満願堂です。見どころはやはり注意書きの看板です。
「安心して参拝できますように防犯カメラが設置されています」
今まで色々な寺院を参拝してきましたが防犯カメラがないため不安で参拝できなかったことはありません。この書き方だと参拝者のために防犯カメラを設置しているような言い分です。防犯カメラがないと安心して参拝できない円福寺ならではの事情があるのでしょうか?素直に「いたずら防止のために防犯カメラを設置してあります」と書いてあるほうが気持ちよく参拝できると思いました。

IMGP9287
多額の寄付により平成21年に完成した五重塔です。やはり周囲を囲っているフェンスには注意書きの看板があります。
開扉は毎月8日(薬師縁日)11:00~12:00、毎月16日(観音縁日)15:00~16:30のようです。

IMGP9293
円福寺名物の看板と一緒に左側から本堂です。
「境内の樹木を大切に
 花や木を折らないように
 約束を守る人のみご利益あり」
最初に「境内の」とわざわざつけるところと最後の一行が残念です。

IMGP9290
銚子の人のマナーが悪いのか、お寺の方が俗っぽいのか。
「ここの境内は霊域のためペット汚物などは自身で処理お持ち帰り下さい。約束守る人のみご利益あり」
書いてあることは霊域でなくても当たり前のことです。そして最後のしめはやはり残念な一言でガッカリさせられます。
ひょっとすると、あえて悪い見本を示して気づかせる教え方なのかもしれません。

IMGP9300
本堂内に入り納経をお願いしようとすると納経は別の場所を案内されました。

IMGP9309
納経をお願いしに行こうと歩き始めると神社が見えたので寄ってみました。円福寺境内の隣にある銚港神社です。名前の通り銚子の港の神様ということでご祭神は龍蔵権現(水の神様)です。ここは円福寺の境内と違い邪魔な看板もなく落ち着いた雰囲気の境内でした。

IMGP9321
納経所まではまっすぐ進むだけであり、入り口は目立つ看板があるので間違えることなくたどり着けました。そして入口で残念看板が2つおでむかえ。参拝者が安心できるように設置した防犯カメラの案内と五重の塔を造ったのでお金を下さいの看板。太平洋戦争ですべてを焼失してしまった堂宇を再建するために多くのお金が必要であったのでしょうが、お金下さい看板が一番目立っているのは参拝者としては複雑な心境です。

IMGP9319
納経所の入口です。やはり看板のオンパレード。安心して参拝できるための防犯カメラ設置。このお寺に来る方は防犯カメラがないと安心して参拝できないようです。納経はこの中で頂きます。坂東三十三観音の札所めぐりをしている方であれば観音堂で納経できたほうが良いと思うのですが、わざわざ観音堂ではなくこちらで納経する理由がわかりません。

IMGP9320
入口右側には残念看板。最後の2行のせいで説得力がありません。
「水桶は大玄関口へ必ずもどしてください。もどさないと先祖の供養になりません」
先祖供養をだしに水桶の整理整頓を要求されます。
ちなみに円福寺のいたるところで目にする残念な注意書きの看板ですが、公式サイトの境内案内の写真(仁王門を除く)には看板が写っていません。お寺側でもこれらの看板はあまり写したくないのか、それとも看板の設置時期が最近で公式サイトの写真を撮った時期より後なのでしょうか?


・奥の院 満願寺

この満願寺には奥の院があり納経時に案内されますが今回は参拝しませんでした。参考までに以前訪れた時の感想です。

満願寺は昭和51年に出来た新しいお寺でパンフレットでは「じゅんれいのてら」を名乗り各種霊場巡りを満願成就した人が参拝するよう勧めています。普通に考えれば歴史的なものはなにもなく、場所も円福寺とは全く関係のない場所にあるお寺になんで参拝するのか疑問に思いますが、そんな疑問より更なる事業拡大ということか坂東三十三観音堂札所のひとつという位置づけから霊場巡り全体にまで守備範囲を広げています。そのため言っていること存在するものに説得力がなく、ちぐはぐな印象を受けてしまうのは私の先入観が強すぎなだけではないと思います。かなり違和感があるにもかかわらず新しいお寺を建てているということはそれだけ霊場ビジネスが儲かるということであり普通ではやらないことをさせてしまうほどのうまみがあるのでしょう。

場所は銚子電鉄の犬吠駅から地球の見える丘方面に向かうところにあり、満願寺に近づくにつれ妙に新しい建物群が嫌でも目につきます。前を通ると派手な色合いの建物が普通のお寺でない雰囲気を出しておりなにかあやしい新宗教なのではないかと中に入ることをためらわせます。そのためか、いつも境内に人気がなく、私が入った時は週末にもかかわらず私以外のお客さんに遭遇したのは2組のみでゆっくり見学することができました。

境内は、円福寺の残念なところを凝縮した感じで、注意書きの看板の数は円福寺の比ではありませんし、円福寺より大きなお金下さいの看板を見ることもできました。境内に安心して参拝できるために設置されたと思われる監視カメラもありますが、私の信心が低いためか安心できません。

私の中では悪いイメージばかりの満願寺ですが、「じゅんれいのてら」を売りにしているだけあり各種巡礼グッズ販売、霊場巡りガイドブック等の書籍出版、巡礼ツアーの開催を行っているようで、少しでも多くの人に霊場巡りを行ってもらおうとする努力は素晴らしいと思います。表示されている価格も一般的な価格であり特別高いものではありせんでした。

他の札所の中には衰退してしまい今後の保存が危ぶまれる所も多い中、円福寺を再建した手腕は経営者としては評価されるものなのでしょう。ただし、多くの参拝者が寺院に求めているであろう仏教的なありがたさ、歴史を感じさせる寺院建築等が失われてしまい、坂東三十三観音札所という看板がなければただの変わったお寺にしか見えません。私には坂東三十三観音を利用して作り上げた霊場の押し付け感がどうしても受け入れられませんでした。

このお寺は坂東三十三観音巡りとして参拝するとガッカリさせられますが、変わったお寺を見に行くということであれば他では味わえない雰囲気のお寺ですので色々と楽しめる良いお寺だと思いました。

過去の参拝履歴

第1番〜第4番札所(杉本寺、岩殿寺、安養院、長谷寺)
第5番勝福寺
第6番長谷寺
第7番光明寺
第8番星谷寺
第9番慈光寺
第10番正法寺
第11番安楽寺
第12番慈恩寺
第13番浅草寺
第14番弘明寺
第15番長谷寺
第16番水沢寺
第17番満願寺
第18番中禅寺
第19番大谷寺
第20番西明寺
第21番日輪寺
第22番佐竹寺
第23番観世音寺
第24番雨引観音楽法寺
第25番筑波山大御堂
第26番清瀧寺

0 件のコメント:

コメントを投稿